wvogel日記

自分用の技術備忘録が多めです.

鉱物鑑定士試験8級7級受検記録

2020/7/25-27にかけて石ふしぎ大発見展が開催されています.
日本・世界の各地の鉱物が大阪はOMMビルに集うイベントで規模としてもそれなりに大きいイベントです.
毎年,このイベントの傍ら,同会場で鉱物鑑定士試験が実施されています.
級は1級-8級まであり,飛び級は不可で誰でも8級から受検しなければなりません.しかも,併願受検が可能なのは8.7,6級まで,それも一度に2つまでという縛りがあります.
1,2級の受験資格を満たすには鉱物関連の論文などが必要ですので,アマチュアで目指せるのは最大3級と思って良いでしょう.

毎年日程が合わなかったのですが,今回はスケジュールが合ったので8,7級を受検することにしました.
この2つはいわば鉱物を啓蒙するための入門用試験なので,参考資料持ち込みokです.必ず合格できます.(私見

石ふしぎ展

全3日,全5回の入れ替え制(最終日のみ入れ替えなし)
コロナのため,入場には事前予約が必要です.
試験にかぶらないよう,そして少しでも感染リスクを下げるため,初日の第一タームを予約しました.

一番最初で元気も有り余っていたからか,初めに行ったガーネット専門店が印象的でした.店員さんも気さくで,お客第一号だからか色々丁寧に教えてくれました.

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ガーネット + グラファイト

そのあともあちこちまわりましたが,皆すごい気さくに話しかけてくるのでびっくりしました.大阪ですね.
今回は辰砂とスピネルを手に入れることを一つ目標にしていましたが,個人的にはルチル・赤鉄鉱・水晶の共生標本が格好良くて今回入手した中では1,2を争います.

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ルチル・赤鉄鉱・水晶の共生

撮影環境が良くなくて魅力が十分伝わりませんが.

念願のジオード割り体験もしました.
友人と2人,密度の最も低そうなジオードを選び,機械で割ってみました.石の中はなかなか綺麗に水晶が群生しており,いい買い物です.

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ジオード割り体験.三つに割れた

2時間弱展示を回ったあと,昼食をとり,試験会場に向かいます.

8級(2020/7/25) 15:00-

受検人数は25~30人の間.友人と2人で受検.
受検記念のお土産に石(花崗岩)をもらいました.

8級講習

通常だと4人くらいのグループに一つ鉱物標本群が与えられるのですが,コロナ対策か,2人に一つ鉱物標本が与えられました.
講師1人,巡回してくれる鉱物鑑定士2人の体制で,わからなかったらすぐ教えてくれます.石墨は手が汚れるのでエタノールでキレイキレイしましょう.
劈開とか条線の基本的なこととかを教えてくれます.
講習で試験に出そうな箇所は念押しされるので,寝ていても合格できるでしょう.

8級鑑定試験

A4一枚の回答用紙と,鉱物5種が貼り付けられた厚紙が机上に置かれます.回答用紙の上半分に5種の鉱物の鑑定結果を.下半分に二択問題が10問ほどあるので,回答欄に{o,x}を記入します.
特徴的で,誰でもみたことのある鉱物しか出ません.

7級(2020/7/26) 11:00-

受検人数は少し減って,20人弱だったと思います.今日は1人で来ましたが,中学時代の理科の先生が講師でした.

7級講習

こちらも,2人に一つ,鉱物標本が与えられ,講師1人,巡回してくれる鉱物鑑定士2人の体制です.
輝水鉛鉱で遊ぶと少し手が汚れるので,やはりエタノールでキレイキレイしましょう.8級同様,鉱物の特徴を解説してくれます.少し産状にも触れますが,気にするのは6級からでいいそうです.共生鉱物の情報は有用なので覚えておきましょう.

7級では灰重石や重晶石といった石も加わってきます.灰重石は見事に蛍光するので楽しいですね.
あと,輝石・角閃石はおそろしく紛らわしいです.
講習が終わると,なんとなく石の中にある鉱物を見つけられる気になります.

7級鑑定試験

ホッチキスで閉じられたA4の回答用紙二枚と,鉱物10種が入った箱が渡されます.箱を開けると,5行2列に仕切られた10個の空間に鉱物が収められています.

回答用紙1枚目は筆記問題です.10問あります.記述式ですが,鉱物名や元素記号を埋めていくだけで,論述ではありません.8級の内容も少し入っていましたが,焦ることはありません.8級の内容はマスターしているはずですし,参考資料も手元にあるのですから.

回答用紙2枚目に,鉱物10種の鑑別結果を記入します.しかし丁寧なことに,回答欄の横には簡単な鉱物の特徴を書いてくれています.(e.g. 六角柱状など)
私には一つ,普通輝石か透輝石か鑑別できないものがありましたが,合格点は70点くらいですから気にしないことにしましょう.

試験結果は1,2週間後に郵送されてくるそうです.
おっと,するともう8月ですね.

感想

元々鉱物の知識は人並み以上にはあるつもりですが,実物をみて回ったのは久々なのでいい刺激になりました.
友人も言っていましたが,資格試験の講習を受けてから石ふしぎ展を回るとより楽しめたかも知れません.