wvogel日記

自分用の技術備忘録が多めです.

在宅医療ポンプのレザーバッグを作った

目的

CADDシリーズの汎用輸液ポンプMODEL 6500用レザーバッグを製作する

背景

私はかれこれ20年近く24時間静脈注射を使っています. すると,このポンプを入れるバッグが必要になります. 最初の三年くらいは,青色のとてもダサいバッグを支給されたので使っていました. 当時の静注薬は24時間保冷が必要だったため,カセット(輸液を入れているタンク)の両側に保冷剤を入れられる形をしている必要がありました.

しかしダサかった.

あまりにもダサすぎたためか,3年程度でデザインが変わり,色も紺色と黒色の2色から選べるようになりました.初回だったので無料でプレゼントしてもらえましたが,買い替えの場合には当時の価格で7000円あるいは9000円が必要です.

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10数年使用してきたポンプ

このバッグを10数年使用してきた過程で降り積もった不満点があるので列挙していきます

既存バッグのデメリット

  1. すでに不要になった保冷用のアルミがださい
  2. 長年使ったおかげでアルミ表面がつるつるになり,ポンプが滑り落ちる
  3. でかい.ダサい
  4. ファスナーの終端金具がバッグの側面についているので,閉まりが甘いとバッグからポンプが滑り落ちる
  5. せめて予備電池用ポケットは欲しい
  6. バッグ裏側にベルト通しがあるが,バッグ+ポンプが重すぎてベルトにはつけられない
  7. ベルト通し表面には細かい凸凹があるため,擦れて服やスーツが必ず摩耗する

3つ目はバッグとして致命的です.ポンプが滑落するポンプ用バッグがこの世に存在して良いのでしょうか.実際,数日前もバッグから滑落してコンクリートに落下・衝突しました.写真のポンプの液晶にある傷はその時ついたものです.

最後2つは日常生活を送る上でとてもストレスフルです.お気に入りの服がどんどんけずれて磨耗していきます.

つい最近レザークラフトを始めた者として,上記問題点を全て解決するバッグを製作しました. レザークラフト初心者なので,レザーのルールは全て無視します.

成果物

下が成果物です.茶色革は姫路レザーを使いました.当初キャメルカラーの革を買ったんですが,色が明るすぎたことによる変更点です. 赤い革の部分は,2mのレザーテープで全てを賄っています.それでも少し余ったのでちょうど良い分量です.

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輸液ポンプMODEL6500用レザーバッグ

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厚さはおよそ半分に
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側面のストライプがクッションにもなる

デメリットの改善点を見てみます

  1. 保冷用のアルミはなくなりました.
  2. 上から出し入れする方式なので滑落はしません
  3. 厚さはおよそ半分になり,少しお洒落になりました
  4. 上から出し入れする方式なので滑落はしません
  5. カセットの下側に見えているのが予備電池用ポケットです.
  6. ベルト通しはありません
  7. ベルト通がないので服も傷みません

また,ポンプと体が接する面には,発泡スチロール剤を芯材にしたクッションを入れています.

型紙製作はしていませんが,コバ処理は少しだけ頑張りました. 正規ポンプバッグは7000 or 9000ですが,今回の材料費はおよそ4500円なので,費用を半分に抑えた上で全ての問題点を解決するソリューションを提案することができました.

以上,参考になれば幸いです.