wvogel日記

自分用の技術備忘録が多めです.

Kicad5 + Tinkercadで3Dモデルを作成

kicadで自作ライブラリを使っていると,3D viewにしても画像のように実際の形状を知ることができず,部品同士の干渉の不安を抱えながら進めていくことになる.

基盤加工機でガリガリ削る分には極小パターンは作成できないため集積度が上がらずあまり問題にならないが,両面基板を外注して集積度を上げようとすると厳しくなってくる.そこで,オンラインで使えるTinkercadを使ってサクッとモデルを作成し,kicadnお3D viewに反映していく.

すでにたくさんの人がfusion360などを使用した実例を挙げてくれているのでサクサク書いていく.

この記事では秋月でも買えるTMHU28を扱う.こんな小さななりをしているにも関わらず5種類の入力が扱えるので随分前から重宝している.

http://akizukidenshi.com/catalog/g/gP-08072/

f:id:wvogel00:20200215151022p:plain

TMHU28寸法図

 

こいつのfootprintをkicadに登録した時には,3Dデータがないため3D viewにしても下のように見えるだけである.虚しい.ちなみに,SW1のシルクが打ってある箇所である.

3Dデータがまだない...

早速tinkercadでCGを作成する

アカウントは以前登録していたので,直方体やら円筒やらを組み合わせていく.

出来上がったのがこちら.

Tinkercadでの見え方.この色はSTL変換で消えるので意味なし

天面に筋が走っているのは,おそらく0.1mmほど計算を間違えたため.しかし0.1mmを争う設計はしていないのでこのまま許容して進める.

色が違うオブケジュト単位でまとめてSTLを作成していく.

今回は

 レバーなどの黒部分...TMHU28black.stl
 端子部分...TMHU28_conn.stl
 その他...TMHU28white.stl
として出力した.

それを,MeshLabで読み込む.これは,kicad 3D viewerでみた時に色も見えるようにするためである.色が不要の場合は,MeshLabは読み飛ばそう.

MeshLabは当方の環境には未インストールだったため急いで入れた.少し癖があって使いにくいが,愛すべきTMHU28のためである.耐えよう.

MeshLabの手続きは以下のサイトの通り進めさせていただいた.
ポリゴンを削減処理が必要ない場合は色だけバシバシつける.

https://www.usagi1975.com/18may172231/

完成したら,色つきVRML(.wrl)ファイルを出力.
kicadのPcbnew画面に戻る.

TMHU28を選択してE(編集)モードに入ると,3D Settingのタブがあるので軽快にクリック.下の画像のようにファイルのパスをこれまた軽快に設定する.$(MY3D)はkicad上の環境変数なので設定したい場合は右に見える設定パスから設定する.
参考に,着色前のCG画像も掲載しておく.
色センスがないから着色後も抜群とは言えないが,ある方が良いということが伝われば幸い....

上記参考サイトではMeshLabから出力する際に縮尺を合わせていたが,
すっかり忘れていたのでkicad上で合わせる.0.394倍という数値だ.
原点がずれていたため,角度・位置を合わせ込んでいく.

3DCGがないとき

色つけ前

着色後

さて,あとは3D viewerを起動して確認するだけである.

どれどれ

少しだけ格好良くなった3D view

 

 

以上で終了である.

一番面倒なのは言うまでもなく,寸法通りにfootprintと3Dモデルを作成する段階.
既存ライブラリで使えるものは使っていこう
(探すのが手間 & 未登録部品が多いので結局自作...)

そのうちTinkercadモデルの公開か,VRMLファイルの公開をできればと思ってますが,公開するほどの価値があるのやら...